生後2か月はワクチンデビュー
予防接種のいろいろを概説します。有料と書かれいないものは、定期接種かその他の助成により、無料で受けられます。
B型肝炎
後年の肝臓がんを予防するワクチンだと言ってもいいでしょう。
B型肝炎ウイルス(HBV)は、汗、唾液、涙、尿、からもウイルスが分離され、レスラー同士で感染した事例が報告されています。ということは、保育園での噛み付き事故でも感染する、思った以上に身近に危険がある疾病です。
3歳までにHBVに感染するとキャリアになりやすい事がわかっており、本当に守るべきは3歳未満児であると言えます。
また、不思議なことに、他の多くの不活化ワクチンと違って幼いほど抗体の上昇が良いので、小さい頃の予防接種は有効に役立ってくれるでしょう。2016年10月より、定期接種になりました。
ヒブ(Hib)
ほぼ世界中で行われている、b型インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae type b)の予防接種です。恐ろしい髄膜炎や、また呼吸困難や窒息を起こす喉頭蓋炎の原因にもなります。この注射のおかげで重症の疾病が劇的に減少したことが報告されており、是非受けてもらいたい予防接種です。生後2ヶ月になったら、早めに受けて下さい。2013年4月から、定期接種になりした。
肺炎球菌
ヒブと同様に、細菌性髄膜炎の重要な菌です。是非同時に受けて、予防しましょう。細菌性髄膜炎は、ヒブの方が起こす例は多いのですが、肺炎球菌の方が重症であるとも言われます。生後2ヶ月になったら、早めに受けて下さい。2013年4月から、定期接種になりした。
ロタウイルス 定期化で無料に
主に冬に流行する嘔吐下痢(ウイルス性胃腸炎)の、飲むワクチンです。高熱と2~3日続く嘔吐、10日ぐらい続く下痢を来します。特効薬がなく、脱水対策しか治療方法はありません。世界では、下痢症による5 歳未満の小児の死亡の17%を占め、その約4 割がロタウイルスによります。
全国では、2020年10月に定期接種になります。8月生まれの子から無料で飲めるようになります。しかし久留米市では、2020年4月2日生まれの子から、無料で受けることができるようになりました。2〜3回飲みますが、腸重積という副反応の確率を減らすために、最初の回は、生後14週以内に受けた方が良いと言われています。
BCG
結核の予防接種です。日本はまだまだ結核の患者さんが無くならず、中等度の流行国(蔓延国 まんえんこく)だとされています。必ず受けておきましょう。他の多くの予防注射(皮下注射)と違い、左上腕にはんこ注射(管針法)で行います。二ヶ月後ころには針の跡が膿ができますが、長い時間かけて消えていきます。その様子が心配なときにはご連絡ください。また、数日うちに赤みが強かったり膿ができるようなら受診して下さい。新型コロナウイルスに効くといううわさがありましたが、確認されていません。当院では大人には接種出来ません。
四種混合
百日咳、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオが入って四種混合といいます。
不活化とは、昔のポリオワクチンと違って、生ワクチンではないのでより安全ということです。
百日咳は、お母さんから免疫がもらいづらい病気です。生後数ヶ月の赤ちゃんがかかると、咳が強すぎてうまく呼吸ができなくなることもあります。大人の間で百日咳が流行っています。できるだけ早くうちましょう。接種したところがしこりになりやすい注射です。ころころしこりがあっても、だんだんと消えていくので心配はいりません。